なぜあの人は他の人より多くのチップをくれるのか?
2017.02.10 | マーケティングブログ
良い書き手は良い読み手じゃないといけない。
といった聞いて確かにと思いました。
それで今は週に1冊の本を読んでいます。
昨日読んだ本の中にこんな話がありました。
有名なマーケターの話です。
その筆者はユダヤ人で幼い頃から極貧の生活をしていて、高校生になると生活のためにアルバイトをしなければならなかったんですね。
そのアルバイトっていうのがチキンの配達。
ユダヤ教徒はチキンスープを伝統的に作っているので、金曜日はチキンが良く売れます。
でもそのアルバイト先は給料をくれなかったそうです。
手元に入るお金は配達先のお客さんがくれるチップだけ。
そしてその界隈には2種類の建物があったそうです。
今でいうところのマンションでしょうか。
1つはエレベーターの無い5階建てのマンション。
もう一つは5階より高いエレベーター付のマンションです。
エレベーターの無いマンションは階数が高くなるほど家賃が安くなり、エレベーター付の場合は高くなるほど家賃も高くなりました。
当時の筆者はどんな人がチップを一番はずんでくれるかは分かってるつもりでいたそうです。
仕事は簡単ですが金曜日の日没までにチキンを全て配達しなければなりません。
筆者は袋詰めのチキンを20キロ以上も渡され、運搬車も自転車もない筆者は配達先まで腕に抱えて持って行ったそうです。
ふだんの金曜日エレベーター付のマンションのお客さんからはわずかなチップしかもらえない。
ところがある金曜日、エレベーターの無いマンションの最上階に住む老人がチップを7セントも奮発してくれました。
思わず
「エレベーター付マンションのおばさん達はどんなに多くても2セントのチップしかくれないのに、あなたは必ずチップを5セントくれます。どうしてですか?」
と尋ねると、彼女は笑みを浮かべてこう言ったそうです。
「あなたがこれからも必要だからよ」
おぉ~って感じですよね。
エレベーターの無いマンションの最上階に住んでる老人にとってチキンを部屋まで持ってきてくれることがどんなにありがたい(価値がある)ことか!
筆者はこう言っています。
「サービスの対価として請求する料金はサービスにかかった費用や顧客の支払い能力に基づいて決めてはいけない。サービスの価値は、利用する人および企業にとってそのサービスがどれだけの価値があるかによって設定されるべきだ」
ん~納得。
ここまで分かりやすいストーリーを始めて聞いたので、思わず感動してしまいました。
この筆者はレスター・ワンダーマン。
紹介したストーリーは「ワンダーマンの売る広告」という本に載っています。
価値で価格を決める。
あなたはできているでしょうか?